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恋に落ちるなら~3の続き。幽帝でちゅーするよ!
それでもよろしければどうぞ。
「お邪魔します」
「どうぞ」
幽さんが所有するマンションの部屋の一つに案内される。
「好きな所に座って」
「あ、はい」
キッチンへ向かう幽さんを見ながらすぐ側のソファーに腰を降ろす。
凄く綺麗な訳でも、凄く汚い訳でもない、生活感のある部屋だなぁと辺りを見ながらほぅ…と息を吐く。
どきどきする心臓を上から押さえるように拳を握る。
「あーもう、なんなのこれ…」
心臓おかしい。
緊張してるのか肩に力が入ってるのが嫌でも分かる。
緊張してるのは自分だけだと解って居ても心臓はばくばくと活発に動く。
ていうか僕、あり得ない経験してるんじゃない!?
そうだよ!普通の高校生が、羽島幽平の家にあがるとか!あり得ないよね!非日常だよ!!
「帝人くん」
「わぁぁあっ!………あ、はい……なん…ですか?」
凄い動揺してしまった。幽さんがキッチンから少しだけ出て僕を呼んだみたいだ。
「コーヒーと紅茶どっちが好き?」
「え、と…紅茶です」
「そう」
す、と引っ込む幽さん。
すーはー、すーはー
深呼吸をして落ち着こうと思ったけど心臓は相変わらず早鐘を打ってる。
「…………はぁぁぁ」
「どうしたの?」
「い、え……」
何でもないです。
と言えばそう。と言って幽さんがティーセットを持って隣に腰掛ける。
「大丈夫?」
「へ?大丈夫?です」
「本当に?」
額に手を当てられて、近付いてきた顔にドキドキして爆発しそうだ。
目を逸らせば幽さんは頬をつねった。
「くぁ……こふこひゃん?」
「………嘘は嬉しくないな」
「……………………」
いや、あの…………無表情な幽さんはいまいちどんな思いで頬をつねっているのか解らない。
ばか正直に、幽さんが近すぎてドキドキします。
って言うのは嫌なんだけどなぁ…。
だってドン引きだよドン引き。
あ、でも同性から見てもかっこいいです。なら許されるかな……。
頬をつねる手に自分の手を重ねると頬から手が離れた。
「幽さん」
「うん」
「僕、幽さんを見るとドキドキします」
「え」
「幽さん僕から見てもかっこいいからドキドキしてどうすればいいのか解らなくなって、あの………」
「帝人くん」
言ってるうちに顔が俯いてたみたいで幽さんの声が上から降ってくる。
「………えぇと……」
「帝人くん」
「……はい」
そろりと顔を上げれば顔が赤い無表情の幽さん。
「なっ……」
大丈夫ですか!?と言う前に抱き込まれる。
「幽さん?」
「帝人くん」
「はい」
「あのさ」
「はい」
「君がそんな事を言うから俺は気付いちゃった」
「え?」
何を言ってるんだろうか幽さんは。首をひねるとサラサラの髪がくすぐったい。
「好き」
「へ」
「帝人くんが好きみたいだ」
「え?あの、」
淡々と言う幽さんに胸の奥から期待の波が押し寄せる。
もしかして、もしかして、もしかして!
「幽さん」
「うん」
「僕も、幽さんが好きです。」
「…………ありがとう」
あ、幽さんの頬熱い。
なんて思ったら離された。
「帝人くん」
「はい」
「キスしていい?」
「…………へ、…んっ、」
ぴたりと幽さんの唇が当たる。わ、わ……ファーストキスだ、これ……。
幽さん睫毛なが……
じゃなくて!え?あれ僕がキスされてるのはあれだろうか、本当に恋愛感情的な意味での好きだったんだろうか。
ああ……うん、嫌じゃないみたいだ僕。
「ふっ、ん!」
ぬるりと唇に何かが這う。
口をゆるく開ければぬるりとしたものが口の中に入る。
……え、これ、
「ぁっ……ん、」
バクバクバクバクバクバクバクバクバクバク
心臓が、頭がうるさい。
息が、できない
頭が真っ白になった所で幽さんがペロリと唇を舐めて離れた。
「ごめん、しちゃった」
「はっ、はぁ…いえ…」
別に、嫌ではなかったです。と回らない頭で応える。
「可愛い」
ちゅと音を立てて唇を頬に落とされる。
頭が回らない。
「帝人くん」
「はっ、い」
ドキドキする。ばくばく心臓が跳ねる。息が荒い。落ち着けない。
それでも幽さんの顔を見れば幽さんはもう一度僕を抱き締めて
「俺の恋人になってください」
と甘い言葉を囁いた。
************
返事は勿論OKです←
無駄に長い話でしたが書く方は楽しかったです。じれったい話好き………^q^
あ、独尊丸出すの忘れ……………あぁぁぁぁぁ…
また今度の機会にでも…。
これで恋に落ちるなら素敵な恋がいい。は終わりです。
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恋に落ちるなら~2の続き。
幽帝未満。
なんか進展が無いですがそれでもよろしければ、どうぞ
「別に………いや、うん、気の迷い気のせい……」
竜ヶ峰帝人は戸惑っていた。
親友二人に恋をしている。だの言われて自覚の無い思いと対面させられてしまい、自分は恋をしている。と錯覚なんではないかと疑い半分、そうかもしれないと流され半分の自分の思いに戸惑っていた。
「……恋かぁ」
まぁそういう年ではあるのだが。けれどなんというか、あまり納得したくないような気がする。
恋をする自体は別に構わないのだが、する対象を間違えてると帝人は思った。
竜ヶ峰帝人という人は非日常を愛してやまない人だ。
けれど、非日常といってもストーカー等の犯罪的な事は生々しくてあまり好きではない。
首なしライダーとか、カラーギャングが池袋にいるとか、そういった漫画的な非日常を愛しているのだ。
納得したくないのは、恋をするにあたって漫画の登場人物的な、非日常キャラに恋をしているかもしれないというところだ。
恋は普通の人にしたい……っていうか園原さんみたいな……いやいや…うん、とりあえず恋は女の子にしたい。
え、と……ていうかこれ恋なの?
その自問も本日何度目だろうか。
「帝人くん」
「わっ!は、ははは、い?」
声を掛けられ幽が到着した事に初めて気付く。
「大丈夫?」
口だけを動かして無表情の幽さんが問う。首を傾げるとサラサラ流れる黒髪は相変わらず綺麗だ。帽子で全部は見えないけど。
顔をとっくりと見つめていることに気付いて帝人は心中で舌打ちをした。ああもう、ばかおみ!
「………すみません」
「平気ならいいけど」
ぺたんと幽が帝人の隣に座る。
ズザザッ
「………………」
「………………」
やってしまった。
帝人は幽の顔を見る。
幽は幽で薄い唇を少し開いたまま帝人を見つめる。
「あ、の!」
「………」
「ち、違うんですそのっ、嫌とかではなく………」
「……………そう」
「びっくりして」
無表情で見つめられて帝人は困った。
怒ってるようには見えないけれど、ショックを受けてるようにも見えない。
気にしなくていいという事なのだろうか。
無表情って、分かりにくい…。
「……あの」
「うん」
帝人が立ち上がり幽との距離を詰めて座る。
「えぇと…今日はどうします?」
鞄の紐を握りながら帝人が問えば幽はうーん、と無表情ながら悩む声を出す。
「どこか、行きたいところある?」
「いえ、特には……幽さんと一緒なら別に……」
と、そこまで言って帝人は口を閉じる。
なんだこれ。
なんで僕こんな事……。
えぇぇぇ誰!こんな甘ったるい台詞とかもう誰!
頭を抱えたいが幽の視線を感じそれは叶わない。
「………帝人くん」
「……………はい」
「俺と君って友人かな?」
予想外で突拍子無い幽の問いに首を傾げながら
「幽さんが友人と思ってくれるんでしたら、友人だと思います」
と答えれば幽は帝人の頭を撫でる。
「好きな食べ物ある?」
無表情で呟かれる言葉に味噌だれ焼き鳥が好きです。
と返し、猫は好きかと聞かれて可愛いですよねと返せば無表情のままだが幽の纏う空気が少し変わったのに帝人は気付く。
「……よし、俺の家に行こう」
「え」
それは流石にまずいのでは?
だって幽さん、あの、日本中を騒がせてる俳優だし、え?世間的に大丈夫なんですかそれ。
と帝人が悩んでいる間に幽は腰掛けていたベンチから立ち上がり、埃を払っていた。
「友人、でしょう」
あからさまに帝人から戸惑いの視線を感じ撫で心地の良い頭を再度撫でながら問えば、まだ納得のいかないような顔をされる。
あれ、友人ってお互いの家に上がったりじゃないのかな。
なかなか頷かない帝人を見て幽は首を傾げる。
「………幽さんが大丈夫と言うなら、その……お邪魔します」
「うん」
立ち上がり制服を叩く帝人を見て幽は微笑んだ。
……顔には出ていないが。
**************
あれまだ続く\(^o^)/
まっ……違うんです…ここで恋に落ちる音がする筈(メルト)だったんですけど……あれ…
幽の家まで持ち越してしまった………。
ゆるラブっていうか……ていうか…平行線ラブ?違うか。
卯月さんが捏造\(^o^)/
恋に落ちるなら~の続き。
帝人出てこない。幽のターン。
それでもよろしければ、どうぞ。
金曜日。
それが休みの日になった。
それでちょっと気になる子と会う約束をつけた。
けれど少し悩む事がある。
「………なにをすればいいんだろう」
珍しく口に出してしまうくらいには悩んでいる。
ドライブをするにしても相手は普通の高校生だし楽しんでくれるのか謎だ。
そもそもどうして普通の高校生を誘ったのかというと
興味があるのだ。
一言で言えばそれにつきる。
あれ、そういえば帝人くんって何か好きなもの有るんだろうか。嫌いなものも知らないけれど。
…コーヒーとか苦手そう。
あの顔で辛いもの好きとかだったら面白いけど…なんとなくそれは無いとは思う。
好きなものも嫌いなものも分からない。
けどそれでいい。と思ってる。
興味を持てるのは知らないからだ。
あの子、いまいち掴めない。
自分と同じようで違う兄への尊敬の眼差しとか。普通だけどどこか普通ではない帝人くん。
兄は兄で帝人くんの事を割りと気に入ってるらしいし。
兄が遺伝子レベルで嫌悪する折原さんも帝人くんを気に入ってるらしい。……あの二人の唯一の共通点なんじゃないだろうか。
ああ、でも俺もあの二人みたいに帝人くんのなにかに惹かれているんだろうな。
……………けれどあの子が惹かれるものは知らない。
困ったかもしれない。
これが詰んだ。という事かな。
携帯を開いてアドレス帳を見れば一番最後に追加された竜ヶ峰帝人と書かれた表示。
誕生日3月なんだ。
視線を右上にずらせば日付のすぐ近くにWEDと書いてあり、もう明後日か。と携帯を閉じる。
………食い倒れツアー…とかはあの子無理そうだし。(なにしろあの子は何もかもが細い。)
自分も大して興味を持てない。
あぁ、でも甘いものは食べたいかもしれない。
帝人くんは甘いもの好きだろうか。
嫌いじゃないといいけど。
………これが兄貴相手なら楽なのに。
兄貴の家に上がるなり俺の家に上がってもらうなりでお酒飲みながら会話するなり。
そんなところなのだが。
今時の高校生はカラオケだのゲームセンターだの……だろうか。もうここまで悩むのだったらいっそ本人に聞いてしまおうか。
「幽平さん」
そこで呼ばれている事に気付いた。
「卯月さん」
「何回も呼んだんですけど……そろそろ時間です」
「ああ、すみません、すぐ行きます」
「具合悪いんですか?」
「いえ。考え事です」
立ち上がり扉を開け、卯月の心配そうな顔を見て少し申し訳ないと思った。
「休日に友人とどう過ごせばいいのかを考えていました」
「友人とですか」
卯月さんが首を傾げる。
こんな話題は初めてだったかな。
「ええ、友人と遊ぶだなんて滅多にないので、どうすればいいのか少し困って」
「………ああ、成る程。でも幽平さん」
「はい」
「友人なら、それも仲の良い友人なら何をしても楽しいんじゃないですか?」
「………………」
そこまで仲が良いとは流石に思っていない。から微妙だ。
「そう、思ってくれるならいいけど」
「あの、幽平さん……」
「はい」
「友人って男ですよね?」
「ええ」
なら良かったと溜め息をつく卯月さんに何か変な事を言っただろうか。と暫し考えた。
************
4巻に卯月さん出てこないんだよねぇぇぇ…………。
そんな話。
本当は幽はもう帝人の事恋愛的に好きな予定だったんですけど……あれ?興味しか持ってない(笑)あれだ、無自覚。
多分この二人適当にメールしてて帝人が
「休みの日何してるんですか?」
みたいな話をしてて段々話が曲がって金曜日休みだからじゃあ遊ぶ?みたいな流れになったんじゃないかな……(…)
幽帝未満。来良組で帝人をつつく話。正臣バッチリ居ますよ
それでもよろしければ、どうぞ
「そっかーお前にも春が来たんだなぁ!」
「な、にそれ。」
どういう意味?と正臣を見れば正臣はうんうんと頷くばかり。
「青き春はロマンスいっぱい!高校生のグレートな過ごし方だぞ!」
「うん、だから日本語喋ってよ」
「帝人ってば恋してる!ってコト!」
「は?」
相変わらずの身ぶり手振りで話す正臣。
ちょっと待て、誰が、誰に恋だって?
「正臣、恋してるってなんで?」
「帝人は最近メランコリックだからなぁ~恋患い!だろ?」
「は、はぁ?僕が誰に恋してるっていうんだよ!?」
思わず声を荒げてしまった。屋上にいる数名の視線がちょっと痛い。
「安心しろ!このナンパのエリート、紀田正臣が相談にのってやるぞ!」
「会話してよ」
「杏里じゃねぇの?」
「なっ!!いや、その、園原さんは………」
「あれ、違うっぽいな」
「なんでそんな事正臣が判断するのさ!」
「だってお前自覚無いと思うけど………顔がもう見てられないような顔だぞ」
「へっ!?」
「メール見て幸せそうな顔しやがって!ジェラシーメラメラだぞ!」
「な、そんな顔……」
「なぁなぁ、誰なんだよ!」
ギィー
屋上の扉が開いてそっちに視線を向ければ園原さんが居た。
「すみません、遅れてしまって」
「おー杏里!今帝人のいてっ!いって!」
「ばかおみ!何でもないよ園原さん!気にしないで!!」
「竜ヶ峰くん……」
園原さんが俯いてしまう。え?なんで!?
「園原さん?」
「あの………大きなお世話かもしれませんが………相談に乗ります…なるべく、一人で悩まないでください…」
「えっ」
「だーよなぁ!さっすが俺のエロ可愛い杏里!な!帝人、一人で溜め息一杯吐いてないで、このベストフレンズに話してみろって!赤信号皆で渡れば怖くない、だぞ!」
「…………なんか正臣のせいで台無しっていうか、僕本当悩み事なんて無いんだけど…」
「そぉかぁ?嘘は良くないぞ!泥棒の始まりだぞ?」
「………そんなに悩んでるように見える?」
あ、二人とも口開けて固まっちゃった。
ブブブとバイブが鳴る。昼休みの時はバイブ設定にしてるのだ。
「あ、ごめん。ちょっといい」
携帯を手に取って宛先を見れば幽さんからだった。
メールを開いて内容を確認して、急いで返事を書いて、送信。携帯を畳んで、顔を上げると
「え?どうしたの二人とも」
二人が僕を見つめてた。
「帝人ぉ!そのメールまさかまさか臨也さんじゃねーだろうな!?だったら駄目、ゼッタイ!」
「臨也さんからって、そんな訳ないでしょ」
「ならいいけどな~。な、何処の子?何校?」
「もうっそんなんじゃないってば!」
「じゃあ誰だよ~」
ニヤニヤと正臣が顔を近づける。あーあ、まぁ、二人にならいいかなぁ。信じないだろうし……。
「羽島幽平さん」
「?」
「ん?」
「っていう人が来週遊ばないかって」
「羽島って、」
「うん、俳優の」
「マジかよ……」
「竜ヶ峰くんは…その人が好きなんですね」
「へっ!?」
「みたいだな~」
ちょっと待ってよ、どうしてそうなるの!?ていうか超有名俳優と連絡取り合ってるっていうあり得ないところはスルー!?
「臨也さんじゃないだけマシなのかなぁ…」
「応援します」
「へっ!?あの、二人とも……?」
「まぁチェリーボーイ帝人は恋なんてストロベリーのような思いしたことないもんなぁ」
「…何で正臣にそんな事言われなきゃいけないの」
「でも、帝人がその人に恋してるのは当たりだろ~メールの度ニコニコしちゃってよ~!」
「な、そんなことっ…ていうか男同士だよ!?」
あ、また屋上にいる数人からの視線が痛い。
「いつ、遊びに行くんですか?」
「えぇと……金曜日かな」
「嬉しそうにしちゃってー。」
「…………」
確かに、確かに嬉しい。
でも僕は別に遊びに行くのが……………
あ。
「……ばかおみ」
「なに!?お前なぁそんなことばっかり言うと流石に俺のハートがブロークンしちまうだろ!」
「………僕の方がブロークンだよ……」
「?」
どうしよう!
どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう!
確かに、僕は幽さんにあまり褒められるものではない、好意を寄せてるかもしれない!
あの掌の大きさとか、温度とか、顔に出さないけど確かにそこにある感情だとか、さらりと揺れる髪だとか、トーンの変わらない声だとか、
「………あり得ないよ…」
少し一緒にいただけだ。
それも、偶然。
確かに遊びに行くのは嬉しい。
幽さんに会えるのが、嬉しい。けど
もう少しで幽さんに会える。
まだ幽さんに会えない。
そんな思いが頭の中をぐるぐるする。
期待してるようなあたたかさと、早く会いたいと急く自分。
嗚呼…顔に熱が集まってきた……
「…………うそだ…」
そんな、恋してる、みたいな。
*********
帝人自覚しちゃったかも編。続きます。
来良組好きなので出しちゃう(笑)
来良組はお互いの変化に素早く気付いてくれる筈!!元気ないなぁとかね!そんな来良が好きです。
これから幽VS正臣や幽VS杏里が書けますね!(帝人くんは俺のこいびとってお題とかで幽VSとかどうですか←)書くかは分かりませんが。^^
それでもよろしければ、どうぞ
「そっかーお前にも春が来たんだなぁ!」
「な、にそれ。」
どういう意味?と正臣を見れば正臣はうんうんと頷くばかり。
「青き春はロマンスいっぱい!高校生のグレートな過ごし方だぞ!」
「うん、だから日本語喋ってよ」
「帝人ってば恋してる!ってコト!」
「は?」
相変わらずの身ぶり手振りで話す正臣。
ちょっと待て、誰が、誰に恋だって?
「正臣、恋してるってなんで?」
「帝人は最近メランコリックだからなぁ~恋患い!だろ?」
「は、はぁ?僕が誰に恋してるっていうんだよ!?」
思わず声を荒げてしまった。屋上にいる数名の視線がちょっと痛い。
「安心しろ!このナンパのエリート、紀田正臣が相談にのってやるぞ!」
「会話してよ」
「杏里じゃねぇの?」
「なっ!!いや、その、園原さんは………」
「あれ、違うっぽいな」
「なんでそんな事正臣が判断するのさ!」
「だってお前自覚無いと思うけど………顔がもう見てられないような顔だぞ」
「へっ!?」
「メール見て幸せそうな顔しやがって!ジェラシーメラメラだぞ!」
「な、そんな顔……」
「なぁなぁ、誰なんだよ!」
ギィー
屋上の扉が開いてそっちに視線を向ければ園原さんが居た。
「すみません、遅れてしまって」
「おー杏里!今帝人のいてっ!いって!」
「ばかおみ!何でもないよ園原さん!気にしないで!!」
「竜ヶ峰くん……」
園原さんが俯いてしまう。え?なんで!?
「園原さん?」
「あの………大きなお世話かもしれませんが………相談に乗ります…なるべく、一人で悩まないでください…」
「えっ」
「だーよなぁ!さっすが俺のエロ可愛い杏里!な!帝人、一人で溜め息一杯吐いてないで、このベストフレンズに話してみろって!赤信号皆で渡れば怖くない、だぞ!」
「…………なんか正臣のせいで台無しっていうか、僕本当悩み事なんて無いんだけど…」
「そぉかぁ?嘘は良くないぞ!泥棒の始まりだぞ?」
「………そんなに悩んでるように見える?」
あ、二人とも口開けて固まっちゃった。
ブブブとバイブが鳴る。昼休みの時はバイブ設定にしてるのだ。
「あ、ごめん。ちょっといい」
携帯を手に取って宛先を見れば幽さんからだった。
メールを開いて内容を確認して、急いで返事を書いて、送信。携帯を畳んで、顔を上げると
「え?どうしたの二人とも」
二人が僕を見つめてた。
「帝人ぉ!そのメールまさかまさか臨也さんじゃねーだろうな!?だったら駄目、ゼッタイ!」
「臨也さんからって、そんな訳ないでしょ」
「ならいいけどな~。な、何処の子?何校?」
「もうっそんなんじゃないってば!」
「じゃあ誰だよ~」
ニヤニヤと正臣が顔を近づける。あーあ、まぁ、二人にならいいかなぁ。信じないだろうし……。
「羽島幽平さん」
「?」
「ん?」
「っていう人が来週遊ばないかって」
「羽島って、」
「うん、俳優の」
「マジかよ……」
「竜ヶ峰くんは…その人が好きなんですね」
「へっ!?」
「みたいだな~」
ちょっと待ってよ、どうしてそうなるの!?ていうか超有名俳優と連絡取り合ってるっていうあり得ないところはスルー!?
「臨也さんじゃないだけマシなのかなぁ…」
「応援します」
「へっ!?あの、二人とも……?」
「まぁチェリーボーイ帝人は恋なんてストロベリーのような思いしたことないもんなぁ」
「…何で正臣にそんな事言われなきゃいけないの」
「でも、帝人がその人に恋してるのは当たりだろ~メールの度ニコニコしちゃってよ~!」
「な、そんなことっ…ていうか男同士だよ!?」
あ、また屋上にいる数人からの視線が痛い。
「いつ、遊びに行くんですか?」
「えぇと……金曜日かな」
「嬉しそうにしちゃってー。」
「…………」
確かに、確かに嬉しい。
でも僕は別に遊びに行くのが……………
あ。
「……ばかおみ」
「なに!?お前なぁそんなことばっかり言うと流石に俺のハートがブロークンしちまうだろ!」
「………僕の方がブロークンだよ……」
「?」
どうしよう!
どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう!
確かに、僕は幽さんにあまり褒められるものではない、好意を寄せてるかもしれない!
あの掌の大きさとか、温度とか、顔に出さないけど確かにそこにある感情だとか、さらりと揺れる髪だとか、トーンの変わらない声だとか、
「………あり得ないよ…」
少し一緒にいただけだ。
それも、偶然。
確かに遊びに行くのは嬉しい。
幽さんに会えるのが、嬉しい。けど
もう少しで幽さんに会える。
まだ幽さんに会えない。
そんな思いが頭の中をぐるぐるする。
期待してるようなあたたかさと、早く会いたいと急く自分。
嗚呼…顔に熱が集まってきた……
「…………うそだ…」
そんな、恋してる、みたいな。
*********
帝人自覚しちゃったかも編。続きます。
来良組好きなので出しちゃう(笑)
来良組はお互いの変化に素早く気付いてくれる筈!!元気ないなぁとかね!そんな来良が好きです。
これから幽VS正臣や幽VS杏里が書けますね!(帝人くんは俺のこいびとってお題とかで幽VSとかどうですか←)書くかは分かりませんが。^^
ラブラブ幽帝。それでもよろしければ、どうぞ
「命をくれたのは神様。きっと母親や父親も僕にとっては神様なのだろう」
「……どうしたんですか?」
クッションを抱きながら無表情で淡々と喋った幽を覗き込めばチラリと視線を向けられる。
「今度出演するやつの台詞。の一部」
「そんな重い話なんですか」
「そうだね。命だの愛だの……重い話かも」
「昼ドラですか?」
「違うよ」
そうですか。と言って帝人はソファーに寄りかかる。
珍しいと思った。
幽が幽平の話をするなんて。どちらかといえば帝人と居る時に羽島幽平の話をすると幽はあまりいい顔をしない。
だから幽から羽島幽平の話をするだなんて珍しいと帝人は思った。
「……どっちも幽さんなのに」
「?なにか言った?」
「いえ」
疑問符つきだけれど無表情なその整った顔を見て苦笑する。
「でね」
「はい」
「俺からしたら帝人くんって神様だなと思った」
「え、」
「心臓をくれるんだ。帝人くんは。」
「どういう意味ですか?」
「兄貴のお陰か解らないけど……俺ってあまり動じないみたいで」
「……まぁ、そうですね」
「けど帝人くんといるといつもドキドキする」
「………」
「心臓の音が聞こえるんだ」
「…そうなんですか」
「だから、帝人くんは俺に命をくれてるんだなって思った」
「そんな、」
事無いです。と開いた口は音を発する事は無かった。
ぎゅうと幽が帝人に抱きついたのだ。
さらさらと肌を撫でる髪が擽ったいと思いつつも頭を撫でれば幽が帝人の頭を撫でる。
「幽さん」
「うん」
「僕も、幽さんと居るとドキドキします」
「そうなの?」
「はい、ですから」
幽さんも僕にとって神様ですね。
そう言って帝人が笑うと幽は腕の力を強くした。
************
心臓というのは意識をしないと動いてるのか分かんないなぁみたいな…。止まってない筈だけれど動いてるとはあんまり感じない。そんな話でした。
これ位短い話が個人的には読みやすくて好きです……どうしてdrrは長くなるんだ…
いざや不信その2。
臨→→→帝で、ふたりは幼なじみ。それでもよろしい方は、どうぞ
一つでも信じたら、全部信じてしまう気がして。
「帝人くんおはよう」
「………………なんでいるの」
「帝人くんの可愛い寝顔をカメラに収める為だよ!あ、枕の跡ついてるかわい~!」
ピロリン、カシャッカシャッ
幼なじみの臨也は右手にカメラ、左手に携帯を持ってる。
「ちょっ、止めてよ消してっ!」
身を乗り出して臨也に飛び掛かろうとすれぱ臨也の顔がにやつく。
「帝人くんてば朝から大胆!いいよこのまま二人の愛を確かめ合おうか!きっと俺たちは世界一幸せな夫婦になるね!誓うよ、君を幸せにすっぶっ!」
「一人で自分への愛でも深めててください」
「……何で敬語に戻っちゃうかな…」
「………」
寝起きとか、頭が回転していないとついタメ口になってしまう。敬語なのは僕なりのけじめでもあるし、なにより……タメ口で話すと
臨也さんが嬉しそうににやけるのが嫌だ。
「もうっ、出ていってください!着替えるんで」
「男同士なんだから気にする事ないでしょ」
「気にします!」
「えぇ~?」
「というか、いい加減カメラと携帯しまってください。」
「ちぇっじゃあ着替え見てもいい?」
「死んでください」
「減るもんじゃないしいいじゃない!あ、もしかして生理現象が起きて」
「出てけ」
「照れなくったっていいんだよ!!俺にだって起こる」
「臨也さんその口縫い付けますよ」
ぐいぐい臨也さんの背中を押して部屋から出ていってもらう。
時計代わりの携帯を開けば土曜日と表示されていた。
「……………最悪…」
休みの日じゃん。なんでこんな早く起こされないといけないのさ!
このまま二度寝をしたらしたで臨也さんがまた入ってくるだろうから仕方なく着替える。
扉を開ければ臨也さんが待っていた。え、なに待ち伏せ?
「おはよう帝人くん」
「…………おはようございます」
「今日は帝人くんの好きなコーンサラダだよ」
「…………」
リビングに向かって歩けば当然のように臨也さんも歩いてきて、テーブルに着けばやはり当然のように臨也さんが席につく。
テーブルの上には二人分の食事。
「……………はぁ」
「どうかした?」
「なんで臨也さんも一緒に食べるんですか」
「一緒に食べていいですかって聞いたからだよ。君の母親に」
「……全く…臨也さんは本当に世渡り上手ですよね。脅したんじゃないですか」
「どうしたらそうなるの」
「考えに考えた結果です。」
「ふぅん、そう」
「……いただきます」
「いただきます」
二人でフォークを握って食べ始める。
臨也さんはご飯の食べ方まで綺麗なのか。この人に欠点とかあるのかな……
などぼんやり考えながら僕はスープを啜る。
「帝人くん、今日は天気いいから出掛けようよ!」
「今日雨降るんですか」
「降っても降らなくてもいいじゃない、出掛けようよ!」
さっき天気いいから。って言ったの誰ですか。やっぱり自分が出掛けたいから出掛けようだなんで言うんでしょう。
ため息をついて臨也さんのにこにこした顔を見る。
「どこに行きたいんですか」
「ん?うーんそうだなぁ、二人きりになれるようなところがいいね!」
「嘘ですね」
前もそんな事言って結局二人きりではなかった。
騙されないぞ。
「ねぇ帝人くん、」
「はい、なんですか」
「愛してるよ」
「………はあ、そうですか」
「あ、また信じてない」
「そりゃあそうです」
「ねえ君いつまで昔の事引きずるの?」
「いつまでもです。臨也さんは嘘しかつきません」
冷たく聞こえるだろうけど、冷たくしてるのだ。突き放す為に。
臨也さんが僕を本当に好きだとしても僕にはそんな気は無いのだ。
「だって、」
「?」
「君の泣き顔ってすっごく可愛かったんだもん」
「は」
なんですか。
え?まさか嘘つきまくってたのは、それが理由ですか?
「帝人くんが焦って泣いてる姿は子供ながらゾクゾクしたよ!」
最低だ……ていうかこの話が本当なら臨也さんSだ。しかもドS。
「ね、もう嘘ついたりしないからさ、俺と恋人になろうよ帝人くん!」
「嫌です。」
「どうして?」
「僕は臨也さんをそういう対象で見れません。見たくも無いです」
「俺は君をこんっっっっなに愛してるのに!!」
両手いっぱい広げた臨也さんは芝居めいた口調で叫ぶ。
そんな事言われても嬉しいとか全然思えない。
ていうか…………うざい。
「臨也さん」
「ん?なに」
「臨也さんが信じられないので多分恋人とか一生無理です。」
それでも今日は結局このうざい幼なじみと出掛けたのだが。
僕って甘い。
************
うざすぎるくらいの臨也さんが書けるようになりたいです\(^o^)/
だってかっこいい臨也さんは皆様書いてらしてる!
臨也不信な帝人は結局臨也さんとくっつく気がします。ええ、まぁ書ける気はまだしませんが……。
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