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只今Drrr中心。よろず倉庫です。たまに鬱。 現実逃避ばかり。常に\(^0^)/
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赤司さまと黒子さん。
赤司様なのでちょっとキャラがつかめてないかもです。
それでもよろしければ、どうぞ


彼は蛇の様だ。

黒子は何度目かは解らないが赤司を見てそう思った。

 

「テツヤ」

といきなり、突然、
呼ばれて驚きつつも黒子は赤司の方を向く。
驚いたのは呼ばれたことに対してではなく、赤司が[テツヤ]と自分の事を呼んだからだった。
好きに呼べばいいと思い、驚きはあっさり消えたのだが。
「どうかしたんですか?」
色々な意味を含めて黒子は赤司に問う。
「少し時間をくれないか?」
赤司はあっさりと言い放ち、黒子は別に構わないと思い頷く。


その時は大した用ではないのだろうなと、ひっそり思っていたのだが。


少し時間をくれないか。
と聞くだけはある。手を引かれ、案内された教室の椅子に座りながら黒子はぼんやりと赤司を見る。
赤司は先ほどから黒子の白い足首に針金を巻いては「きついか?」「これでは緩いな」等と言うのだ。
意味の解らないまま、「部活で使うんですか?」と聞けば赤司はこんなの使って何する気だ。ときっぱり切って捨てた。
じゃあなにを、と黒子は思ったのだが赤司はこれ位でいいか、と針金をぱちんとペンチで切って離れた。

「……何に使うんですか?」

二人きりしか居ない教室は夕暮れが射し、赤司の赤色の髪が一段と燃えるように美しかった。


「テツヤに使うんだよ」


あっさりと、やはり赤司はそう言った。
「ボクに?使う?」
訳がわかりません。とは流石に言えず黒子は先ほどの針金の感触を思い出す。
ボクの脚に嵌めて、どうする気なんでしょう。
赤司の考える事は黒子にも難解で、それでいて突拍子ない事が多く悩ませる。
顎に手をあて考えを巡らせれば赤司は気にしないでいいよと笑う。


黒子は赤司のその笑顔が好きではなかった。

ろくでもない目に遭ったことが多いからだ。
黒子はいやらしくも、悪意も感じられないようなその笑みに一度騙されたことがある。
その時とても人には言えないような目に遭ったのを黒子の肌は、脳は、身体はしっかりと記憶している。
そのせいか赤司のそういった笑顔に対してはつい、一歩後ろに下がってしまう。

「それにしても、テツヤは細いな」

メニューはきちんとこなしているのに。本当に筋肉が付き難い体質なんだな。と赤司は先ほどの針金をポケットにしまいながら呟く。

その動作を黒子は無意識に見つめてしまっていた。
なにか、何か嫌な事になりそうだと、そう思ったのだ。

赤司という人物は、勝敗がないようなことに関してはそれほど恐れるような存在ではない。
三年間の付き合いでそれだけは分かっていたので普段彼に接する時はそれなりに否定も曖昧な表現もする。
ただ、ただやっぱり笑顔を浮かべるときに関しては別で。


黒子は胸に鉛を仕込まれたような感覚に陥った。

嫌な予感しかしないのだ。本当に。

「テツヤ。お疲れさま、もういいぞ。悪かったな時間を割いてもらって」
「い、え。大丈夫です。」
顔を上げ、赤司の眼を見て黒子は息が詰まった。

そこに立って、ただ自分を見ている。

それだけなのに金縛りにあったかのように動けなくなるのだ。
そういう目を、赤司は意識的にするのだ。
「赤司君」
「ん?なんだ」
「前世とかって信じる方ですか?」
コンクリートの海に沈んだらこんな感じだろうか。
黒子は唾を飲み込む。
赤司はいきなりなんだと笑う。
そうだな、と赤司がつぶやく。
「蛇、だったのかもしれないな?」

上履きが床を叩く音がしたかと思うと、顎に手をかけられる。

「テツヤは、かえるだな」
「……」
ぞわりと黒子の背中が粟立った。

「丸呑みにしてしまうかもしれない」

「……お、断りします…」

ギラリと痛いくらい眩しい瞳に怯えている自分の顔が映っているのが見え、黒子はそっと赤司の手を自分の顎から外す。

「随分警戒されるようになったな」
「…当たり前です」
自分がどんな事をしたのか忘れてるんですか。
とはとても口には出せないが黒子は赤司を睨む。

「その割には、簡単についてきたけどな」
「…断ったら、何をされるのか分かりませんからね」
「それもそうか。」
俺もどうするか解らない。

カラカラと軽い音を立てて扉を開ける赤司の背中を見てそういえばと気になった事を思い出して

「赤司君、そういえば何で名前…呼び方変えたんですか?」
と問いかける。

「そうだな………印みたいなものだ。」
そのまま、じゃあな。と赤司はさっさと廊下に出てしまった。

黒子は針金をかけられた左足がひどく重く感じ、胸に埋められた鉛を吐き出すかのように息を吐いた。


それは二人が中学三年の時の話だった。

 

 

 

そして、そんな出来事はついさっきまで忘れていた位だった。


「やっぱりぴったりだな」

ガチリ

金属音がして、黒子は目の前の赤い髪を呆然と見つめる。
「な、にを」
一年前とは比べ物にならない、確実に黒子の脚を戒める為の金属が嵌められる。
「覚えてないのか?」
首を傾げる彼に黒子は首を振る。
「いいえ、けど」
何をしているのだろうと問わずには居られなかった。


―…修学旅行先の京都で、赤司が居た。
そこまでは黒子にとっては別に不思議でもなんでもなかったのだ。
ただ、気になったのが

「テツヤ、少し時間をくれないか」


彼はあの時と全く同じことを言ったのだ。
それだけが黒子の心に引っかかりはした。

逃げればよかったのかもしれない。
いや、逃げるべきだったのだきっと。

汗がこめかみを伝うのが解る。
冷たい金属の枷に、そして目の前の赤司に黒子はめまいがしそうだった。

いっそ倒れてしまえば逃れられるのではないかとそう思ったくらいだ。

「あのときは、針金だったじゃないですか」
冗談めいて口にすれば赤司は笑う。
「そんなもので捕えられるなら、いくらでも」
「どうしたんですか、いきなり」
ボク、修学旅行中なんですけど。
あくまで余裕を出して口に出したつもりだけれど、身体は正直だった。
黒子の声は震えていた。


「逃げるなら、止めないが?」


じゃらりと足枷から伸びる鎖が床を擦るのを見て黒子は息をのむ。

「逃げれるなら、とっくに逃げてます」

彼の言葉はじわじわと身体を締め付けるようだ。
黒子は息苦しさを感じて赤司から目をそらす。

「べつに、ここまでこだわるつもりはなかったけど」
鎖を手の中で遊ばせながら赤司は笑う。

 


「なんだか、知らぬ間に極上になってしまってたみたいでね」

 

このまま捕食されてしまうのではないかと、左足枷から伸びる鎖を見つめることしかできなかった。

 


(…捕食行為をするのは、毒蛇ですけどね。)

 

*******
支部にあげたものです。
いつもと書き方、表現の仕方変えて書いた(つもり)ですけど、
本当はもっと意味不明というかな表現を書くつもりだったけど書き終って読み直したら
割と普通であれ??みたいな。
小説として浮かんだのが赤黒だったのでついww
 

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