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幽帝です。
ふたりは恋人な関係。それでもよろしければ、どうぞ。
一枚のポスターを貰った。
「………………………」
どうしよう。今になって後悔してきた。
床の上に正座して、自分の前には広げられたポスター。
しかも折り目が沢山付いていたのでわざわざ伸ばした。
ポスターの中には今をときめく俳優、羽島幽平がカッコイイ服を着て女の人に微笑みかけている。
「………どうしようかな」
貰ったのは良いけれど貰ってどうする。
自分の頭の中ではずっとそのフレーズの繰り返しだ。
たまたま、たまたま正臣が見ていた雑誌にこのポスターが付いていて正臣がそのポスターを見ている自分に気が付いてくれたのだ。
こう言うと押し付けられたのでは?と思うが自分が発した言葉は「いいの?」の一言だったので貰ったという表現が正しいだろう。
「最近会ってないからかなぁ…」
ポスターにぺたりと触れてみる。
「会いたいなぁ…」
最後会ったのいつかな……。
溜め息ひとつ吐いてポスターから手を離したら携帯が光る。
「あ」
平和島幽
とサブディスプレイに浮かんだ文字を見て慌てて携帯を手に取る。
「もっ、もしもし!」
「もしもし、あ、もしかして忙しかった?」
「いえ、びっくりしただけです」
「そう。こんばんは帝人くん」
「こんばんは幽さん」
へにゃりと顔が崩れるのが自分でも分かる。現金だなぁ。
「あのさ、」
「はい?なんですか?」
「帝人くんの家に行ってもいいかな」
「………え、と」
「駄目かな?」
「いえいえ!まさか!あの、その、僕も会いたいんですけど、」
幽さんは明日も……
と言おうとしたらピンポーンとチャイムが鳴る。
「あれ?」
「出て」
「え、ちょ幽さんまさか……!!」
携帯を耳に押さえつけながらバタバタと玄関の扉を開ければ同じく携帯を耳に押さえつけた幽さんが立っていた。
「来ちゃった」
「断ったらどうするつもりだったんですか」
思わず笑いがこぼれる。
「断られないかな、と思って」
ね。と言いつつ首を傾げる幽さんにきっと僕も断る事ないだろうなぁなんて思った。
「寒いですから、入ってください」
「うん」
幽さんを招き入れて扉を閉めるとぎゅうと幽さんに抱き締められた。
「久しぶりの帝人くんだ」
「そうですね、久しぶりです」
耳を擽る吐息に顔が熱くなってきた。
「幽さん、明日もお仕事…ですよね」
明日は土曜日だけれど。そんなの関係ない幽さんはきっと仕事だろう。
背中に回した腕にぎゅうと力を込めた。
「ああ、それなんだけど、」
「はい」
「夜から撮るやつだけになったんだ」
「夜から?」
「うん、だから」
す、と腕を離して僕をじっと見る幽さん。ああ、僕今顔赤いんだけどなぁ…あんまり見ないで欲しい。
「泊まっていい?」
「え」
なんですか?何て言いました?
「帝人くんと一緒に居たい」
「それは、あの、僕もですけど。」
「可愛い」
ちゅ、と額にキスされた。
最近幽さんに可愛いとずっと言われてるせいでもう反論すらする気が起きない。
「でもこの部屋じゃ幽さん寝れませんよ?布団も無いですし」
僕一人で寝て、この部屋は埋まるのだ。二人だなんてとんでもない。
「え?」
そう言うなり幽さんは僕から離れて靴を脱いで部屋に上がった。
ら、いきなりしゃがんだ。
「…………幽さん?」
どうかしました?
不審に思って自分も靴を脱いで上がると
あ、
と気づく。
「帝人くん、」
「は、い」
くるりと振り返った幽さんはやっぱりポスターを持ってた。
「どうしたの?」
僕の目の前に掲げて尋ねられる。
「ええと………友達から、貰いました」
「そう」
パタンパタンとポスターが折られる。
「帝人くん」
「はい」
肩に手を回されて幽さんは携帯を取り出す。
なんとなく分かった僕は幽さんの肩に寄り掛かって携帯のカメラ部分を見つめる。
ちゅ
「へぁっ!?」
額にまた唇を落とされて幽さんを見ればピロリンと撮られた。
「へっ!?ちょっ」
「撮るよ」
さっきも撮ったじゃないですか!!
と反論するもハイ、と掛け声を掛けられて反射的にカメラ部分を見る。
「チーズ」
ピロリン
カチカチと携帯を操作して幽さんは僕の手を握る。
「明日の夜送ってあげる」
「あの、」
「だから明日の夜まで俺と居て」
「……っ、はい!」
それから寝間着や下着やらをバッグに詰め込んで僕は初めて幽さんのマンションに泊まりに行った。
一枚のポスターが僕の部屋に広げられることは無くなった。
***************
幽も欲求を素直に言う人かなぁ。と。というかdrrは素直な人ばかりかなぁと。包み隠さずというか。
幽帝って需要ない気がする。………いつもの事だけど……。
お泊まりとかロマンだよロマン!結局幽のベッド(ベッドのイメージ)に二人で寝るんだろうな……。
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ちょう突発会話文。帝人総受け、幽一人勝ち。
それでもよろしければ、どうぞ
臨「どうして俺相手だと素直じゃないかな。あんまりにも照れ隠しばかりで寂しくなってきちゃうよ!!」
帝「僕は素直ですよ。正直者って定評ついてます」
正「だよなぁ、帝人は正直すぎてつい相手を傷つけたりしちゃうんだよな!」
帝「え?傷つけないようには………相手を選んでるつもりだけど」
正「え」
臨「なにそれへこむ」
帝「臨也さんってへこむんですね」
臨「そりゃあ多少の事ではへこまないよ!!」
帝「え?なら」
臨「でも今はデレに飢えてる」
帝「……デレってなんですかデレって。」
正「ほんとお前態度違うよなぁ……」
帝「……」
正「でもそれが帝人の愛のウィップなら俺は受け止めるぜ!」
帝「なに、正臣は僕の為なら静雄さんを負かせるって?」
正「それは無理な相談だぜキューティーハニー!!」
帝「止めてよその呼び方!」
臨「なになに帝人くん脱ぐの?」
正「うわぁ駄目なおっさんがいる」
帝「………」
臨「帝人くんその放置してた生ゴミを見るような目やめて…」
帝「変なこと言うからですよ」
臨「だってさ紀田正臣くん」
正「俺!?臨也さんでしょう!?」
帝「全く二人ともそんなんだから僕がなびかないんですよ」
正「なびかないって!お前それ自分がなに言ってるのか分かってるのか!?小悪魔ちゃんかお前!!」
臨「じゃあもし君がなびいてくれるような男になったら態度変わるのかな?」
帝「そうですね………
手をつないでやらないこともないです。」
臨「もちろんその先もだよね!!いい男になってみせるよ!!帝人くんと愛の営みができるなら!」
正「俺のゴールデンテクでリスキーナイトを過ごすために……お前が思ういい男になってやるぜ帝人!!」
青「先輩の理想って俺みたいに利用価値のある男ですよね!?」
正「わっどっから沸いた!!」
帝「なんでここに!?」
青「鍵が閉まってたのでヘアピンで開けました」
帝「全然理想のタイプじゃないよ。何堂々と犯罪公言してるの」
青「俺が会話に入れないっておかしくないですか!!」
正「ない」
臨「支障ないよ」
帝「おかしくはない」
青「先輩そのモスキート音に起こされた時のような目たまりません…!!」
帝「お望みなら叩き潰すよ?」
正「多分そいつ喜ぶぞ」
青「うるさいですよ紀田先輩」
帝「………青葉くんって臨也さんに似てるね」
青・臨「はぁ?」
帝「さっきの、例え方がそっくりだったね」
正「あーそう言われれば!二人でシンクロですか?そっちの二人で仲良くシンクロナイズしててくださいよ。お幸せに~!」
青「なに言ってんですか気色悪い!俺は帝人先輩以外でもう立つものもたちませんよ!!」
帝「そういうのほんと止めて」正「甘いなガキ!帝人はピュアだからそういう発言はマイナス√3点だぞ」
帝「そうだね正臣は√3点」
正「厳しい!」
臨「そんなピュアな帝人くんを調教したいね!」
帝「息荒くしないで死んでください」
幽「盛り上がってるところ悪いんですが」
正「わっいつの間に!!」
臨「気付かなかったなぁ。君気配隠すの上手くなったね」
青「びっくりした…」
帝「幽さん!!あれ、鍵は?」
幽「開いてた」
青「ちっ閉めるの忘れてた」
帝「なに舌打ちしてるの」
臨「平和島幽くん、君今日ドラマの撮影じゃなかったの?」
幽「終わってここに来たんです。」
臨「相変わらず能面だねぇ」
帝「臨也さんその口切り落としましょうか?」
幽「さっき、理想のひとがとか」
帝「えっああ、気にしないでください!!」
幽「浮気?」
帝「ちっ違います!!」
幽「そう」
正「え?ちょ、ま…」
青「まさか」
幽「人の恋人を奪おうだなんて、少なくとも帝人くんの好みじゃないよ」
正・青「うっそ!」
臨「あぁうん…分かってたよ………知ってたよ
俺が当て馬になる確率が高いこと位」
帝「臨也さん」
臨「なんだい帝人くん」
帝「僕のこいびとを紹介しますね。」
****************
人数多くてギャアギャアしてるの好きなんですけど書くと絶対空気な人が出る……^o^
私昨日やっとこさ原作4巻初めて見たんだ…………羽島をはじまって今まで読んでました。はねじまですか。やっちまったwww
4巻見た勢いでこれ書きました(笑)
幽ルリも好きですが間に帝人を挟んだ方がもっと好きです。←←←
ついでにいうならノマカプ普通に好きです。正沙も帝→杏も新セルも!みんな可愛い。
帝人女装ネタ。幽帝。ふたりは恋人
それでも宜しければどうぞ。
「お願いです着てください。」
ぺたりと土下座。
俺がこうするのにも訳がある。
変態と言われればそうかもしれないけれど。
可愛いもの×可愛いものは凄く可愛いとおもうのだ。
「な、なに土下座してるんですか!だ、だめです!嫌です!」
「……………」
顔は上げない。
だって諦めたら試合終了って何かの漫画だって言っていたし、お金が勿体ない。
どうして俺が恋人の帝人くんに土下座をしているのかというと買ってきた服に問題がある。
白いレースが沢山着けてある、女の子用の服。
店のショウウィンドウに飾って有ったのを見てなんとなく可愛い、と思ったら帝人くんの顔が浮かんだのだ。
これは買うしかない。きっと神の啓示だ。
と思って買ってみた。
まぁ女物を着るなんて俺もやだし、帝人くんも嫌なのだろう。さっきから嫌ですの繰り返し。
「帝人くん」
「…………なんですか」
「家の中だけ、だから」
「…………………」
「着てください」
「やです」
「…………帝人くんに似合うと思ったんだけど…」
「僕男ですよ」
「うん、ごめん」
「大体、幽さんどんな顔してこんなの買ったんですか」
「別に……レジに行ってショウウィンドウのくださいって言っただけ」
「………普通可愛い女の子に買うんですよ、こういうの」
「俺が可愛いと思うのが帝人くんだったから」
「………………はぁ~」
どんな顔しているんだろう。
怒っているんだろうか。この服が原因で別れようとか言われたら俺はこの先の人生どうなってしまうんだろう。
土下座のままぼんやりと現実逃避のように考える。
「写真とか、撮っちゃ駄目ですからね」
大きなため息を吐いたと思ったら帝人くんがガサリと音をたてる。
「え?」
思わず顔を上げると帝人くんは立っていた。
「まだ顔下げててください」
「…………うん」
「いいって言うまで駄目ですよ」
「…うん」
パサ、と衣擦れの音がする。
耳に入る音に神経を集中させてしまう。
ちょっと、いやかなり興奮する。
パサ、パサ
衣擦れの音がいやに耳に響く。
それはそうか。好きな子がこんな近くで着替えてたらドキドキするの当たり前か。
「ん?」
ぽつりと帝人くんがこぼした。
何か足りなかったのかな。
「幽、さん」
「うん」
「も、いいですよ」
顔をあげれば予想通り、けど想像以上に可愛い恋人の姿。
「やっぱり。思った通り可愛い」
「……………どうも。というかこんな服女の子でも普通着ませんよ!」
「ルリさんはそんなの着てた」
「ルリさんは普通じゃないです」
「そう」
とっくりとその姿を見ていれば恥ずかしそうに顔を赤らめる帝人くん。
可愛い。着てもらえて良かった。
「帝人くん」
「はい」
「ありがとう」
「……………………いえ」
立ち上がって帝人くんと向かい合うと帝人くんは俯いた。
「すごく可愛い」
ぎゅうと抱き締めれば新品の服独特の香りがする。
「………幽さんはずるい」
「うん、ごめんね」
サイズ大きめの買ったけれど体格的に微妙だったらしく、肩の辺りが少し大きいみたいだ。腰は丁度いいみたいだけど。
「もう、着ませんよ」
「うん。無駄にならなくて良かった」
「無駄ですよ!!」
「着てくれたから無駄じゃないよ」
「………………」
右手で頭を撫でれば帝人くんが背中に回した腕に力がこもった。
「帝人くんに嫌われなくて良かったな」
肩に顔を埋めてそう言えば帝人くんの体がびくっとした。
「はい?なんでそうなるんですか!?」
「幽さんの変態、別れましょう。とか言われたらどうしようって」
「い、言いませんよ……」
ぽんぽん、と背中を叩かれる。
「よかった。帝人くんに別れましょうって言われたら死んでしまうと思ったから」
ぐりぐりと頭を帝人くんに押し付けながらさっきぼんやり考えていたことを言ってみた。
そうしたら帝人くんは幽さん、反則です!と叫んだ。
***********
あまあま。幽は可愛い可愛い連呼しすぎだと思います。正直なんです←
芸能サンド書きたい。
可愛いもの好きな芸能サンド。幽帝ルリ。
帝人も結局は甘いのです。
土下座をし続ける幽って素敵だと思うの。(絵面が)いや、帝人に土下座って誰でも美味しいかも(笑)
幽帝。仲良いのねぇな話。ゆるい。
それでもよろしければ、どうぞ
どうしてこうなった。そんな感じだ。
「帝人くん、決まった?」
「えっ、あ、すいません!えと、じゃあこれ、で……」
「分かった。すいません、プリンの詰め合わせと、」
隣でお店の人に注文をしているのは幽さんだ。
どうして僕が超有名俳優の羽島幽平とお店に居るかというとそれは下校中に遡る。
「あー俺のグッドアイディアはどうして却下されるんだろうなぁ。」
「今度は何言ったのさ」
「勿論、授業時間をあと20分減らして欲しいって提案だ!20分減った分みんな最初から最後まで授業に集中できるじゃーん!っていう提案だ!」
「20分減らしたら全然勉強できないじゃないか」
「それが狙いだ!」
「学生は勉強しなきゃ」
「紀田くんは勉強嫌いなんですか?」
いつも通りに正臣と園原さんと三人で学校を出て帰り道を歩いていると
「帝人くん。」
と呼ばれた。
あれ?と思って振り向くと帽子を目深に被った…………あ、幽さんだ。
「ん?帝人の知り合いか?」
「あ、えと、うん」
「………怪しい奴じゃないだろうな」
「違うよ、ごめん、二人とも!先に帰ってて」
心配そうな二人にそう言って幽さんに駆け寄る。
「どうかしたんですか?」
「ごめんね、別に大事な用って訳じゃないんだけど、少し付き合ってくれる?」
「へ?」
「兄貴に手土産買おうと思って」
「平和島さんに……手土産ですか?」
「うん」
「仲いいんですね」
「……どうかな。悪くは無いと思うけど」
歩いてる時は手を握られて、恥ずかしさで少し居たたまれなかった。
とまぁそんな訳で着いた先はケーキ屋さんだ。
「甘いの、お好きなんですか?」
「うん、兄貴が特に」
「へぇ……」
帽子を被ったまま幽さんはショーケースの前で悩んでいて、不意にこっちを向いたと思ったら
「帝人くんも好きなの頼んでいいよ」
なんて言う。
いえいえそんな!!と思ったけれど甘いものは嫌いだったかと聞かれて嫌いじゃないと答えればじゃあ選んでと返されてしまったのだった。
「ありがとうございましたー!」
店員の明るい声と共に店から出ればまた手を握られる。
迷子になりそう。とか思われてるのかな……?
まあ確かに人込みは相変わらずだけど…。
「幽さん、平和島さんの家に行くんですか?」
「うん」
「あの、僕お邪魔じゃないですか?」
「どうして?」
無表情で首を傾げて幽さんの髪がさらりと揺れる。
そういえば幽さんこの帽子だけで変装になってるんだよな…意外に皆気付かないし…などとぼんやり考えながら
「どうしてって…兄弟水入らずの方が、」
「大丈夫、兄貴も帝人くん好きだから」
「はあ…」
よくわからない返事をされてしまった。
そしてそのままズルズルと繋いだ手を引っ張られるまま僕は平和島さんの家に連れていかれたのだった。
*************
手を繋ぐ幽帝。なんとなく手を繋いでるイメージ。静雄が未だに平和島呼びだよ(笑)そして帝人は初めて静雄の家に上がるのだった……←
そのうち帝人は幽に手を繋がられないと違和感感じる位になれば素敵。
むしろ自分から握るとか。素敵。
首!の幽帝。ふたりは付き合ってる。
そんな話。よろしければどうぞ。
「帝人くん、こんばんは」
鼓膜を刺激する声はいつも電子混じりだ。
忙しい相手だから仕方ないと思いつつ、そういえば最後に会ったのはいつだったかなと帝人は思った。
「こんばんは幽さん、お元気ですか?」
毎回変わらない言葉を投げかければうん元気かなと変わらない返事が返される。
「今日は平和島さんに会いました。」
「うん、兄貴は元気?」
「相変わらず自販機投げてましたよ」
「そう」
他愛の無い会話をする。最初の頃は幸福感に満たされていたが最近では帝人にとって少し寂しい時間になった。
「今度、……来週の水曜日と木曜日がお休みになったんだ」
「そうなんですか!あ、でも……会えない、ですね」
帝人は学生の身で平日は学校に行かなければならない。
会えたとしても少しの時間しか会えないだろう。
「会えない?」
どうして、ぽつりと幽が問う。
「え、いやあの……学校、じゃないですか僕」
「終わってからなら会えるでしょう?」
「はい……あの、でも」
学校がある日に休みの時は会わない方がいいのでは。という言葉を帝人は飲み込む。
困らせたい訳では無いし、会いたいと思ってくれるのは嬉しいのだ。
「帝人くん」
「はい」
「俺は、元気だけど帝人くんに会えなくて死んでしまいそうなんだ」
いつものように静かな声が電子混じりに鼓膜を刺激する。
どくりと帝人の心臓が大きく跳ねる。
「幽、さん」
「うん」
「僕は、寂しかったです。」
「…ごめんね」
「学校で疲れてても、幽さんに会えたら、疲れが取れると思います。」
そう、帝人は携帯越しの触れあいが少し寂しかったのだ。
沢山会話をしても部屋の中には自分ひとりしか居ない。
鼓膜を震わすけれど、無機質な携帯を通した熱は帝人にとっては少し冷たいくらいだった。
電話が嬉しくない訳では無い。
困らせたい訳では無い。
我儘だと思われたくない。
だから恋人という関係になった時に平日に貴重な時間を割いてまで会いに来なくてもいい。電話で十分だと言ったのは帝人だ。
「あ、あああの、すいませっ、」
「帝人くん、」
「違うんです、あの、」
「帝人くん」
「………………はい」
「会ったら手を繋ごう」
「…………はい」
「帝人くんをずっと抱き締めたい」
「……は、い」
「帝人くんにキスしたい」
「あ、の……」
「会いたい」
「ぼ、僕も、会いたいです」
幽の声は相変わらず一定のトーンに変わらずの無表情で話しているが聞いてる帝人は真っ赤になっていった。
こういう時電話の方がいいかも。
と帝人はこっそり思った。
「じゃあ、水曜日にね」
「はい、水曜日に」
「おやすみ、帝人くん」
「おやすみなさい、幽さん」
ぷつりと電源ボタンを押して帝人は真っ赤な顔のまま布団に突っ伏した。
***************
幽帝で「おやすみ」と言わせたかったの………!!無駄に長いわ!馬鹿め!
幽は幽で恥ずかしい台詞をポンポン言いそうだなぁ。それに帝人が振り回されたり……
なんて、思ったり。
恋人になるときの話はまた違う話で(笑)
首!の臨帝(という名の臨→帝)
二人は幼なじみ。年齢操作。
それでも宜しい方はどうぞ。
「おはよう帝人くん!今日も可愛いね」
「うるさいです臨也さん。どうせ時間がなくてネクタイが満足に結べてないですよ」
「そんなところも可愛いよ。」
朝っぱらからこんなつらつらと可愛いだのなんだの言われるのは僕がこの人の家の隣に引っ越して来てしまったのがそもそもの原因で。
小学生高学年の時から言われ続けている為かいつの日から黙れ。という言葉を言うのすら諦めた。
「さ、早く行くよ帝人くん!俺は君と一緒に遅刻も喜んでするけど君は遅刻したくないんだろう?」
「遅刻はしちゃいけないんです。あといい加減なんでもかんでも僕に合わせるのやめてください」
「真面目だねぇ君は。そんな所も好きだけど。ああそれとマイナスの自意識過剰はストレスの原因になるよ。」
「真面目というか、学生として当たり前です……僕は臨也さんと一緒に居る時点でストレス溜まる気がします」
早足で横断歩道を渡る。臨也さんもすぐ後ろをついてくる。
向かうのは同じ学校だから仕方ないのだけれど。
「え?なに俺と一緒に居ると胸が押し潰されそうな位ドキドキする?帝人くんそれは恋だよ!」
「何で、そうなるんですか」
横断歩道を渡って平坦な道を歩いているととんでもないことを隣で言う臨也さんにため息をつく。
「ていうかさ、いい加減敬語やめなよ」
横から顔を覗き込んできた臨也さんは少し不機嫌そうだ。
「無理です。臨也さんは年上の人なんですから」
「君が俺にタメ使ったって気にしないよ!幼なじみなんだからさ」
そう、幼なじみ。
小学校を入学する頃に僕はここに越してきた。
臨也さんは隣の家の住人で。
僕より1つ年上。
小学校低学年の頃は本当に仲良しだった。
確かお互いに君付けじゃなかったかな。
けれど臨也さんが小学5年生位になった頃、臨也さんは僕に嘘を教え込むようになった。
「帝人くん!今日は母の日だよ。お母さんが喜ぶことをしないとお母さんが居なくなっちゃうんだよ」
「帝人くん、今日はクリスマスだよ!夜遅くまで起きているとサンタさんが君を食べに来ちゃうんだよ」
「帝人くん明日は隕石が降るよ。ん?ああ隕石っていうのはね、みんなをぺちゃんこにしちゃうんだ!」
その他諸々。その頃僕は臨也さんにべったりだったから臨也さんの言うことを鵜呑みにしてた。
その度泣きそうになりながらどうしようどうしよう等と慌てていたものだ。
そのうち、臨也さんはあからさまな嘘を吐くのは少なくなっていって。
けれど臨也さんは嘘つきだという方程式がすっかり出来上がった僕は臨也さんの言うことを信じなくなっていった。
臨也さんが中学生になって、僕が小学6年生の時。
「帝人君は可愛いね」
「はあ……そうですか」
今の様な関係になった。
僕が中学生になって少し経った頃臨也さんが中学で有名人になってて、同じ学年の女の子たちが騒ぎ出すと僕は臨也さんの事を折原さん。と呼んだ。
けどなかなか慣れなくて結局今の呼び方になった。
嘘つきで、校内で有名人な臨也さんと幼なじみだなんて女子や友達に知られたくなかった。
そういうのに、多感なお年頃だから臨也さんを避けていた時期もあった。
なぜなら有名なのは外見、成績、問題児。という三拍子で僕はそんな人とお近づきになりたくなかったのだ。
それがある日、僕は臨也さんに近付かれた。
「帝人くん!なんで俺のこと避けるの?俺君に何かした?まだ何もしてないよね?避けないでよ、俺君が好きなんだ」
「は?」
「愛してるんだ帝人くんを!ねぇだから俺と付き合わない?」
「………また、嘘ですか?」
「嘘じゃないよ。だから、避けないでよ」
「避けて、なんか………」
「………あ、そう。避けてないの、わかった。」
と、その日から僕は毎日臨也さんに付きまとわれている。
避けてない。と嘘を吐いたのは悪いと思ったけど臨也さんはストーカーのごとく僕に付きまとい始めて、避けようとする僕にぴったりくっつく。
可愛いとか、愛してるとか、好きとかそういった甘い言葉つきで。
けれど僕の中で臨也さんは嘘つきのイメージが濃いのだ。
だから適当に流してる。
どうせすぐに飽きるだろう、とも思った。
けれどこれに関しては臨也さんもなかなか飽きないみたいだ。
僕が中学一年の後半から始まったのだからかれこれ三年と数ヶ月。
よく飽きずに毎日毎日歯が浮くような台詞を言うものだと感心してしまう。
そういう言葉は好きな人に言うべきだ。
「臨也さん」
「なんだい帝人くん」
「よく飽きませんね」
早足で歩きながらネクタイを結び直す。
臨也さんはうーん、と顎に手を当てて
「どうしたら信じてくれるのかな」
と言う。
「意外ですね、信じて貰いたいんですか。」
きゅ、と結んだネクタイに満足して隣を歩く臨也さんの赤みがかった目を見れば臨也さんはゆっくりため息を吐いて
「信じてくれないと俺の気持ちが伝わらないじゃん」
と呟く。
臨也さんの言うことって、僕はもう信じられないんですけど。大体貴方の口って本当の事を言えない口でしょう。
と僕は思った。
「ねぇ帝人くん」
「なんですか」
「すきだよ」
「そんなに僕の反応は楽しいですか」
「え、」
きょとん。としてる。
初めてみたな臨也さんのそんな顔。
あ、校門が見えてきた。
「ちょ、ちょっと待ってよ帝人くん」
「どうかしました?」
「ねぇ、俺が君の反応を見たいが為に毎回毎日好きって言ってると思ってるの?」
「違うんですか?」
「心外だなぁ。反応が見たいだけだったらこんな3年と5ヶ月も続けて言わないよ」
「…………はあ、そうですか」
それなら何で。毎回毎日飽きずにそんな言葉を言うのだ。
「なぁんで信じてくれないのかな……」
「自分の人生振り返ったらどうですか」
「帝人くんに愛を捧げてきた人生だったなぁ」
「嘘をついてきた人生ですよ」
おや?と不思議そうな顔をする臨也さんを無視して僕は下駄箱から靴を出した。
************
長…………^q^
臨也さんってベラペラ喋らせたくて……したら行数パネェwww
臨也不信な帝人。
落とすのが大変です(笑)
本当は不信具合がもっと重症で、でも無理やりくっつく話だった筈なんですけど書いてたらわりと軽い話に……。
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