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只今Drrr中心。よろず倉庫です。たまに鬱。 現実逃避ばかり。常に\(^0^)/
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幽帝→静
幸せな死ネタ。(?)それでもよろしければ、どうぞ。


嗚呼、すごく冷たい。
何処だっけここ。

確か、確か僕は…………


「帝人くん?」
「……ぅ……っ!?えっ!!」
「………大丈夫?」

ひらひらと目の前で手を振るのは、
「か………すかさん?」
「良かった。」
無表情で大丈夫?と聞かれるとあまり心配されてないような気がするが幽さんだから仕方ないと首を回す。
「えと、ここは……?」
「…………さて、どこでしょう」
「へ?」
「ごめんね、けどなんとなくは解るでしょう」
「……?」
「…自分で気付くのが一番いいよ」
「言ってる意味が、」

解りません。
と口で伝える前に幽さんが立ち上がる。

「帝人くんって」
「あ、はい?」
「歳、いくつだっけ」
「……17です」
「そう」

何でいきなり……と思ったけれど自分が童顔な事を思い出して肩を落としたくなった。

「俺はね、21。」
「はあ……」
「…………」
顎に手を当てて何か悩むような仕草をする幽さんに僕は首を傾げる。

「何なんですか?さっきから」
「いや、………別に」
別にってことはないでしょう!!と言いたいところだがこの鉄仮面の前ではそんな言葉すら憚れる。

「…いいや、行こうか、帝人くん」
「はい?」
一体何処に。と
言えばそういえばここは本当にどこなんだろうと辺りを見渡せば誰かの部屋みたいだった。勿論僕の部屋じゃない。

「……………」
一つ、扉があってそこから出るのだろうな、という事はわかった。
「………幽さん」
「うん」
「あの……………もしかして、僕」
「うん」
足に刺さっているように見えるクッションを見つめる。

「死んでるんですか?」


「そうだね」

………そうだねって!そうだねって!!
そんなあっさり!
ああ、変だとは思った、僕は行かなきゃ行けない所に、行かないと、って…思っ……………
え~と、何処に行きたかったんだっけな。

「どうして僕は死んでるんですか?」
「交通事故だよ」
「………」
「相手の信号無視」
「はあ……」
「死体、見る?結構ショッキングだと思うけ」
「いいですいいですいいです!見たくないです!!」
「そう」
「僕は死んでますけど、幽さんはどうして……」
「怪物だから」
「は?」
「………企業秘密」
「はあ…」
す、と手を引かれてあれ、僕幽霊なんじゃないの?触れるの?とか思いつつ歩き出す。
「あ、あの!」
「なに」
「僕、行かなきゃいけないところがあって………」
「連れていかなきゃいけない所があるんだけど」
きっとそれは天国と呼ばれる……いや、自分はきっと地獄だろうけど…そんな所だろう。
「その前に行きたいんです!伝えないと、いけなくて…」
「……けど今は君幽霊だし」
「…………………………」
ごもっともだ。霊感のある人ならきっと聞こえてくれるだろうが、生憎自分が会いに行きたい人は霊感なんて無縁っぽい人だ。
ええと、あー…あっ!
「…どこに行きたいの?」
「静雄さんのところです!」
思い出した!と拳を握りながら言う。
「兄貴の…分かった」
「わ、本当ですか!?」
「でも、兄貴は君の事見えないよ」
「……そうですよね」

冷たく言うわけでも無く、温かく言うわけでも無く、ましてや呆れて言うわけでも無く。幽さんは幽霊に対しても態度を変えない。
「じゃあ行こうか」
「はいっ、ありがとうございます」



池袋はやはりというか、僕が居なくなっても変化は無かった。

「帝人くん」
「えっ、はい?」
「信号赤だよ」
「わわっ」
ブン、と車が僕の体をすり抜ける。
怖っ!物凄く怖っ!
そんな僕に忠告した幽さんは周りの人に訝しげに見られていて、少し申し訳ない気持ちになった。

「すみません」
「もう一回交通事故起こす所だったね」
「……すみません」
再び二人で歩き出せば幽さんはあそこに居るね。
と指を差す。
指の先に居る静雄さんも僕が居なくなってもなんら変わりなく、自販機を投げている。
「死ね!ノミ蟲!!」
「シズちゃんが死になよ!今日は君の相手なんてする場合じゃないんだから」
「てめえが仕向けたんだろ!!」
「はぁ?いくらシズちゃんの言葉は俺に響かないからって言っても良いことと悪い事があるよ!!帝人くんが死んだのは俺のせいじゃないよ、シズちゃんのせいなんじゃない?」


「……帝人くんの話だね」
「………ですね」
駆け回る二人を見て、頭の中がカチコチ鳴り出す。
カチコチカチカチコチコチカチコチカチカチコチ!
「……兄貴に言いたいことって」
「もう、」

カチン!

「意味の無いことですよ」

あぁ、けれど

二人に歩み寄る。二人に僕の姿は見えないけれど、飛んできた自販機も標識も身体をすり抜けるから問題はない。

「静雄さん」
臨也さんと睨み合う静雄さんの腰に抱き付く。


「僕、静雄さんがすきでした。」


ズキリ、と頭が痛くなって、涙が出てた。幽霊でも涙が出るんだなぁとか思いながら大きな身体にしがみつく。
生きてる時なら、この人の体温を幸せと感じただろうに。

「ん?幽?」
静雄さんは身体の向きを変える。

静雄さん。僕は本当にあなたが好きだったんですよ。
そんな事言ってなかったから知らなかったと思いますが、

臨也さんと静雄だったら間違いなく静雄さんの手を取ってたんです。

「帝人くん」
静かになった空間に幽さんの声が響く。
涙を拭こうと手を顔に伸ばせば手がさらさらと無くなっていくのが見えた。
淡く光って、砂みたいにさらさらと空気に溶けていく。
「幽さん」
「俺はね」
「……幽?」

カツ、カツと幽さんは僕に歩み寄る。
静雄さんは首を傾げて、臨也さんは何処かに行ってしまっていた。
僕の身体はさらさらと融けていく。


「君が好きだったよ」


「…………なんですか、それ」

何だかおかしくて思わず笑えば僕の目の前は真っ白に溶けていった。

***************
実は静→←帝←幽だったという話。
本当は「アイドルは死神!」みたいな感じで死神幽とか考えてましたが、長くなってきたのでこんな話に。
静雄を追い掛けて「好きです」って言いたかったけど交通事故に。
話の流れ的には戦争サンド→幽帝→静→←帝←幽みたいなのを書きたかったんですが(笑)
死ネタだと非日常大好きな帝人に幽霊になれるというプレゼントをしてあげたい!←
死ネタ苦手な方すいませんでした。

ルリ、幽、セルティ、杏里辺りは幽霊が見えてもいいなぁなんて思ったのです。(こそっ)


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