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「嫌だなぁ。」
喫茶店でぽつりと呟く。
目の前の人にはばっちり聞こえたみたいで、
「何が嫌なんだい?」
とコーヒーを啜りながら聞いてきた。
「………臨也さんと喫茶店に行くのが、ですかね」
「俺の奢りだから気にしなくていいんだよ?」
「それはありがたいんですが……」
「じゃあなに、君は何が嫌なの。」
話題によっては沸点が異常に低くなる臨也さんは僕を睨む。
「……あー、っと……その、ほら、ここ、池袋じゃないですか、」
「ああ!そうだね、解ったよ帝人くん。全くそんなに恥ずかしがらなくてもよかったのに。ごめんね帝人くん気づかなくて。さあじゃあ行こうか」
「は…い?」
べらべらと一人で喋って納得して立ち上がった臨也さん。訳がわからない。
「……………あの、」
「ん?どうしたの帝人くん?」
「行くって……どこ、に」
「決まってるじゃない」
ぐん、と臨也さんが顔を近付ける。
僕は思わず背を反らす。
臨也さんは端正なその顔をにっこりと形作る。この笑顔は良いことが無い。ろくでも無いことだ。
「俺の家」
……………………は?
どうしてそうなった。と言いたいけれど言ったところできっとまた摩訶不思議な答えが返ってくるに違いない。
「いえ、結構です!」
「どうして?あっ、それとも帝人くんの家に行く?」
「だから………」
「二人きりになりたいだなんて可愛いなぁ帝人くんは!カラオケでも行くかい?狭い個室で愛を囁き合うのもいいね」
誰が、いつ、二人きりになりたいなんて言った!!?
「臨也さん、」
「どうしたんだい可愛い帝人くっ」
パリーン!ゴシャアッ!!
と普段ならばあまり耳に入らないような轟音と目の前には止まれの標識。
「チッ……」
舌打ちをしながら臨也さんはふらりと立ち上がる。
僕は飲みかけのクリームソーダに硝子が浮いてるのを見てもうこれ飲めないや。とため息を吐く。
「いーざーやぁぁぁぁああ!!!!」
とこっちへ向かってくる金髪のバーテン服の男。
「あーぁサイアク。シズちゃんに見つかっちゃった。」
これじゃあデートどころじゃないね。
と臨也さんは僕の腕を引っ張る。
「帝人くん、下がってて。」
そのまま僕を左手で思い切り引っ張って離して、僕は臨也さんから離れた。店にはもう僕と臨也さんしか居ない。
「あれ、逃げないんですか?」
てっきり何時ものようにじゃあね。と言って去るのかと思ったのに。
黒いジャケットを後ろから見れば右手にはナイフが握られていて。
「本気で殺したくなっちゃったからね」
と臨也さんは言う。
たらりと汗が首に流れて袖で拭くと袖が赤黒く染まって頬がチリチリ痛んだ。
「………だから、嫌だったのに。」
僕は先程まで座っていた窓際の席を見つめた。
****************
窓際だと静雄に見つかっちゃうじゃん!!って話。帝人の精一杯のデレ。
つまり臨也の考えはちょっと正しかった。
翌日紀田くんに頬の傷をちょう心配されるといい。(笑)
いざやをもっとうざくしたい……。
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