×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ぼくらの7日間4つづき。
幽帝が高校生です。
よろしければ、どうぞ
明後日は文化祭だ。
文化祭が間近な為、お祭り気分の校舎から出ようと重い腰を上げて昇降口に行けば少し前に見知った背中が有った。
一人で帰ってるみたいだ。
彼の背中を見ただけでこんなにも心が急くのはやはり彼が好きだからだと思う。
靴を履き替え、少し早足で歩めばコンパスの差ですぐに追い付いた。
「帝人」
「っえ?」
「一緒に帰ろう」
「か……すかさん」
少し嬉しそうに顔を緩めた帝人を可愛いなぁと思い頭を撫でてやれば帝人はすぐに明後日の方を向く。
ああ、そういえばと納得しつつ
「別に返事は聞かないよ」
とだけ言えば帝人は良かったです。と言って息を吐く。
………良かったです?
やっぱり俺、明日フラれるのかな?
そんな事を思いつつも明日には分かる事だし。と今の小さな幸せを満喫する事に決めた。
「幽さん」
「ん?なあに」
「明後日文化祭ですね」
「…………………うん、そうだね」
「幽さんのクラスは何やるんですか?」
「わたあめ屋」
「わたあめ!そんなのできるんですか!?」
「クラスの子がわたあめ機持ってるんだって」
「へ~……」
「帝人のクラスは?」
「僕のクラスは喫茶店ですよ。飲み物とホットケーキしか出ませんが…」
「へえ…」
この子って残酷だ。
とひっそりと思う。
無表情で良かったなとこの顔に、いや、表情筋に感謝した。
多分、普通の表情筋だったら今俺は苦い顔をしていたと思う。
「食べに行くよ」
出来ることなら、迎えに行くよ。
口から出る言葉は心の声と違う。
…帝人を好きになってからずっと言えない言葉が増えていく。いや、増えては消え、だけれど。
「あ、僕も、わたあめ食べたいです。」
照れくさそうに笑う帝人にうん。と唇を動かす。
一緒に食べよう。とは唇は動かなかった。
「幽さん?」
「………え、あ…何?」
「その………大丈夫ですか?ぼーっとしてません?」
「ああ……うん、平気。ごめんね」
「いえいえ」
凄く好きなんだ、君が。
ここでまた告白して、返事を待ったら俺は卑怯者だろうか。
男とか、そんな事気にならないくらい好きなんだ。
自分を見る瞳だとか、兄貴ほどでは無いにしろ、俺の微かな顔色を見て気遣うところだとか、もっと聞かせてとせがむ唇だとか、可愛らしいはにかみ笑いだとか。
日に日に帝人の事が好きになっていって、自分の心が帝人で満たされるような気さえする。
そうした愛しさというものに溢れてしまった俺は言葉にしてしまった。
愛されたいと思ったら言葉が出てしまった。
自分は自分で思っているより、欲張りだった。
「じゃあね、帝人。また明日」
「はい、幽さん。また明日」
このやりとりだけでも胸は温かくなるのに。
叫びだしたい愛と少しばかりの後悔を持ちつつ玄関を開けた。
………明日、帝人の顔をちゃんと見れるのかな。
****************
幽さんはこんなに帝人が好きなんですよ。な話。
幼なじみなので、小さい時から少しずつ溜まっていった愛情に、年月のせいか欲求も溜まっていってぽろりと口にしたけど後で冷静になってみると拒絶されたらどうしよう。とか帝人に好きと返されたらそれは幸せだなとかぐるぐるする高校生幽。
大きくなったらぐるぐるしない人間になります。「帝人の返事を貰う間で一生分悩んだ」みたいな。やだ楽しい(笑)
帝人は話題に困って文化祭の話しただけです。
いやーそれにしても……
青春って難しいわぁ……
PR
この記事にコメントする
カレンダー
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
カテゴリー
リンク
アバウトリンク
当サイトは二次創作サイト様に限り、リンク・アンリンクフリーです。
アドレス: http://memame.blog.shinobi.jp/
最新記事
(07/18)
(05/16)
(02/07)
(07/12)
(07/11)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
聖めまめ
性別:
女性
趣味:
絵を描く・妄想…?
自己紹介:
ついったのIDは[hijirimemame]です。日常とオタク話中心ですが(笑)
ブログ内検索
カウンター
フリーエリア